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2012年6月24日 (日)

思い出引き出し・海編(3)

ダンボが泳ぎに自信をつけたのは、やはり海軍に入ってからだ。

予科練でも、特攻訓練基地でも、泳がされた。

仲間と一緒だからできたと思う。

2mを越すうねりの中でも泳がされた。

浜から大波をかいくぐって飛び込むのは度胸がいる。

1列に隊列を組んでいるから遅れをとっては一大事、

そのまま、身体を持ち上げられ突き落とされながら沖へと進む、

波の頂点に達した先頭から順に水泳帽が消えていく、

自分がてっぺんに来たら

眼下に白い水泳帽が点々と連なっている。

一緒だから恐怖心が消え、「海はゆりかご」の気分を味わった。


例外もあった。

訓練基地で、海岸に連れて行かれ

沖の軍艦を指差した班長から(下士官)

「あそこの巡洋艦を回って帰ってこい」と、命令された。

皆でスタートしたが、泳いでも泳いでも船は近付かない

人の固まりが解けはじめる、早い者は見えなくなり、遅い者はブイに掴まって休んでいる。

ダンボは一人で黙々と泳いだ。

巨大な軍艦を回って岸にたどり着くまで何時間かかったか覚えがない。

班長は命令だけ下し、兵舎に戻って休んでいた様子。

仮に兵隊が溺れ死んでも、お国のための名誉の死!




怖ろしい時代だったが、したたかさを身につけたのは間違いない。

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