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2012年1月31日 (火)

筆跡2

先日、奈良の書房から本が送られてきた。ダンボには縁の薄い哲学書

『技術のアエステティカ』

著者は「米澤有恒」

002

添えられた彼の夫人の手紙で、縁のあった人達に絶筆となったこの本を贈呈していると分かった。

彼は教え子ではない。

弟、義朗君を担任した。

http://hirosi-dambo.cocolog-nifty.com/blog/2008/01/post_ebc6.html

兄弟とも、類い稀な頭脳の持ち主だった。

担任でもない彼と知り合ったのは、

家庭訪問の時、暇で暇で話し相手を探していた彼に掴まってからだ。

彼は小学校4年で大きな交通事故に遭い九死に一生を得た身体。

病院に入院しているか、家庭で療養しているか、小中と学校にはほとんど通えなかった。

それでも義務教育期間は進学卒業したが、高校に入ったら単位をとるのが遅れ弟に先を越された。

そして、もともと理系だった彼は「京都工繊」に合格。

大学に入って暫くしてから、宿直の晩にフラッとやってきた彼が

「身体にきついので、やめて大学入り直しますわ」と言う。

工繊の実習が立ち仕事で耐えられないらしい。

「で、どこへ行くつもり?」

「京大でもいっときましょか」

ダンボ声には出さなかったけど『エッエッエッ』

昭和40年頃は今ほど受験競争が激しくなかったかも知れないが???

ビックマウスではない。

翌年、京大文学部に入り哲学科で美学を専攻したようだ。

ようだ!としか書けないのは、

以後、年賀状のやりとりぐらいで会う機会もなかった。

そして、彼の奥さんとはお目にかかっていない。

少しでも所縁のあった人へ、住所録をたよりに手書きで趣旨をしたため贈る夫人の筆跡に、亡き夫の気持ちを形にしたい意志を感じた。

ダンボの礼状に返書が届く。

Photo

二つの意味での残心が、ふっと浮かんだ瞬間だった。

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