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2008年10月 2日 (木)

切羽へ

 今年の直木賞作品、井上荒野著「切羽へ」を一気読みした。

 8月27日、オール読物で読んだ続きを見たくて本屋へ飛んでいったがなかった。図書館へ行ったら、予約が6人入っていた。

003  その順番が回ってきて借りられたから、他の本を置いて優先させたという訳。

 久しぶりに小説らしい小説を読んだ気分だ。

 読みながら抑制の効きすぎた主人公に「もっとシッカリせぇ~」と言いたくなる。

 同僚の月江先生が小粒ながら波乱万丈の生き方をしているのに同調も反発もできない。得体の知れない石和先生に秘かに惹かれているのに、気持ちを伝えるすべもない。

 でも、私に振動が伝わってきた、共振し共鳴しはじめた。

 流石、プロの書評は見事だ。ほんの1行褒め言葉を列挙する。

・心の表裏や僅かな動きを捕らえる表現力に秀れている(平岩弓枝)

・選び抜かれた比喩、文章のリズム、心理描写どれをとっても素晴らしい。(林真理子)

・人間を見詰めて説得力がある。(渡辺淳一)

・文章のもつ官能の力を巧みに使いこなしている。(五木寛之)

・自然主義の様式に呪縛されたフィクションで(略)基本構造上との矛盾を静謐な絵に描きおえたのはさすがである(浅田次郎)

・感情のゆらめきと抑制の部分に、行為が作り出すより、より官能性があるというのは、すこぶる小説的(北方謙三)

・どこにでもあるような歪な恋のかけらを、しなやかな文章で綴って快い(阿刀田高)

 お断りしておくが、この記事に操られて買って読んだら「たいしたことないじゃないか!」と怒る方もあるかもしれないが、一切責任はもたない。

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