« 8月の終わり | トップページ | 海の彼方が羨ましい »

2008年9月 1日 (月)

芥川賞

 芥川賞作品、ヤン・イー(楊逸)

著「時が滲む朝」は、一気読みできた。反芻しながら熟読する必要はなかった。

002  不思議だ、直木賞と芥川賞が逆のような気がした。

 わざわざ、ネット検索した。

 芥川賞は『純文学短編作品中最も優秀なるものに呈する賞』とあり、直木賞は『短編及び長編の大衆文芸作品中最も優秀なるものに呈する賞』となっていて、私の記憶に間違いなかった。

 尤も、「切羽へ」は男女の愛がテーマのチッチャな私小説。「時が滲む朝」は、祖国中国の民主化を夢見る若者が、天安門事件を境に挫折し世界に散り、理想と現実の狭間で苦闘する。テーマのスケールは大きく作者の書きたい事がストレートに出ている。

 でも、文学作品という枠でみたら、作品の完成度は遥かに「切羽へ」が高い。

 何時ものように後で選評を読んだ。

 石原慎太郎・高樹のぶ子・池澤夏樹・村上龍・川上弘美・黒井千次・宮本輝・小川洋子・山田詠美の各氏が審査員で、はっきりとヤン氏を推していたのは高樹・池澤・黒井3氏だけだった。

 中国嫌いのI氏などは、「単なる風俗小説だ、書き手が中国人、だけでは文学的評価に繋がらない」とボロカスだし、村上・宮本両氏も反対している。

 それなのに何故選ばれたか?オリンピックご祝儀でもあるまいが、首を傾げるばかりである。

 しかし、小説として面白くなかった訳ではない。中国人の複雑さを分からせてくれたし、独裁国家の恐さも感じたし、ダンボ流「へーへー感」は充分あった。

 そして、小川洋子審査員の「平成の日本文学では書き表すことが困難なさまざまな風景が、ヤンさんの中に蓄えられている」に妙に納得させられた。

« 8月の終わり | トップページ | 海の彼方が羨ましい »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 芥川賞:

» 色んな作家様がいますが、注目してるのは芥川賞候補です [芥川賞受賞作品は?!]
芥川賞 2008 受賞作品 受賞者 直木賞 一覧 候補 中国 [続きを読む]

« 8月の終わり | トップページ | 海の彼方が羨ましい »

2020年4月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    

最近のトラックバック

無料ブログはココログ